僕はタイガー

ただの日記でしたが、2015年9月から娘ログになってしまいました。

最終出社

一昨日が最終出社日だった。年末のふわふわした空気の漂う中、淡々と仕事をして机の片付けと掃除を済ませ、軽く挨拶をして帰った。大げさに別れを惜しむやり取りもなく、さらっと帰れてよかった。職場や仕事が嫌になった今の私にはそれくらいあっさりしていたのがちょうどよかった。

 

昨年の春に異動になり、慣れない部署で仕事をこなして来たけれど、ずっと辞めたくて仕方がなかった。辞めることが正式に決まり、社内でもその話が出るようになった頃、前の部署の同僚の女性達が食事会を開いてくれた。私と一緒に同じ部署に異動になった女性もいた。うきうきしている私とは対照的に、その女性は堰を切ったように仕事を辞めたくて仕方がないと話し始めた。その女性の本音を初めて聞いた瞬間だった。

 

本格的に会社と退職の交渉に入る頃に、前にいた部署の先輩と飲んだ。誰にどう退職交渉して行くかの相談をした。たまに飲みに行くけれど、いつも仕事の話と、昔の仕事の話しかしない。個人的な話はほとんどせず、毎回仕事の話で終わる。その先輩に帰り際に、仕事を辞めたらお祝いするよ、と言われた。

 

その先輩に昨日会ってきた。普段降りない駅で適当な居酒屋に入った。先輩はサイコロで飲み物が倍量になるチンチロで、倍量を連発した。私は一度も当たらなかった。倍量を3回決めて居酒屋を出る。酔い醒ましのため、近くの広い公園をぶらついた。次の仕事の話をしていたら、ふと先輩が立ち止まり言った。「どうしようもなく好きになっちゃったんだよね。」

 

適当にはぐらかして、そろそろ帰りましょうか、と駅まで歩いた。平静を装いつつ、酒が回った頭で考える。何が?どこが?どうして?いつから?

 

そのまま駅で解散した。私と先輩は会社から支給された携帯電話で連絡をとっている。それ以外の連絡先を知らない。もうすぐこの携帯を返却する。このまま会社に返却して、これまでもこれからも何もなかったことにして全てを終わらせてしまいたい。